安全？危険？産後、骨盤ベルトの上手な使い方
こんにちは。
熊谷市のマタニティ＆
産後の整体に特化した
女性専門整体院、
見晴みつば整体です♣
ご来院いただいた産後のママさんから
よくいただく質問のひとつに、
「骨盤ベルトって意味ありますか？」
「つけた方がいいですか？」
というものがあります。
今回は、当院が考える
【骨盤ベルトの上手な使い方】
について、お伝えしていきます。
目次
- ○ 骨盤ベルトは極力使わない！
- ○ 骨盤ベルトの効用
- ・主に、骨盤を外から安定させる
- ○ 骨盤ベルトの問題点
- ・筋肉を無視してしまう
- ・血流の問題
- ・「固定」してしまう
- ○ 骨盤ベルトを使った方が良いケース
- ・股関節や恥骨の痛みが強い場合
- ・極端に負荷がかかる時
- ・本質的なケアではない事を忘れない
骨盤ベルトは極力使わない！
身も蓋もないですが、まず結論から言うと、
「産後の骨盤ベルトは使わない方が良い」です。
少なくとも当院では、使用をおススメしていません。
一定の条件のもとで使うことには
賛成ですが、「とにかくつける」といった
乱用は産後の回復を逆に遅らせる可能性があります。
骨盤ベルトの効用
なぜおススメしないか、の前に
骨盤ベルトにどんな効果があるのか
考えてみましょう。
主に、骨盤を外から安定させる
世の中には色々なタイプの骨盤ベルトが
ありますが、一貫して言えるのは
【外から骨盤を固定すること】だと思います。
産後の場合、特にホルモンによって
関節が不安定な時期に、外から関節を
支えてあげることが大きな目的になっています。
骨盤ベルトの問題点
グラグラしている骨盤を
外から支えてくれるのが
骨盤ベルトだとすると、
何が問題なのでしょうか。
筋肉を無視してしまう
ひとつは、筋肉の働きを無視してしまう事に
あります。
本来、関節を正しい位置にすること、
安定させることは「靭帯」「筋肉」の
仕事です。
靭帯は普段、あまり大きく動きませんが、
産後は緩みやすくなっています。
この時期に骨盤ベルトをつけることで、
ホルモン上、靭帯が安定するまでの
サポートになります。
一方で筋肉は、
外からサポートされることによって
どんどん使えなくなってしまいます。
血流の問題
産後に関わらず、骨盤ベルトや腰痛ベルトを
使う際の共通の問題点に「血流」があります。
着用中は骨盤まわりが圧迫を受けて、
一時的に血流が落ちてしまいます。
本来、キチンと筋肉が動いたり、
組織が回復していくために
「血流が良い」状態は欠かせません。
外からサポートを受けている間、
内側から元気になる機会を逃してしまって
いるのです。
「固定」してしまう
産後、骨盤を良い位置で固定することは
とても大切なことの様に感じます。
ですが、本来関節は「動く」ものです。
骨盤の関節もわずかですが、動きます。
歩く時、しゃがむ時、階段を上る時、
座る時。日常の動作の中で知らず知らずのうちに、
動きを繰り返しています。
なので、関節を正しい位置に戻すことは
大切ですが、正しい位置で固めてしまうことは
良くありません。
産後は関節がゆるむことで
「動きすぎる」傾向にあるので、
「固定」しようとしますが、
回復の段階で可動域を制限してしまうことは
本来危険です。
正しい可動の範囲で、正しい運動が出来ることが
本当に大切なことなのですが、安易な「固定」は
それを妨げてしまう可能性があります。
骨盤ベルトを使った方が良いケース
骨盤ベルトを使用することの
問題点をあげてきましたが、
リアルな産後の状況を考えると、
使った方が良いケースもあります。
股関節や恥骨の痛みが強い場合
出産直後から痛みの出やすい場所に
「股関節（お尻）」や「恥骨」があります。
産後３か月ごろまでの、この辺りの急激な痛みは、
関節の緩みによるところが大きいです。
本来なら、周りの筋肉を回復させて、
徐々に支えられるように…と産後ケアを
考えますが、育児の忙しさも含めて
「とにかく今！少しでも楽に！」と
思うことは多いと思います。
この場合、骨盤ベルトを着用することで
痛みが軽減することが多いです。
いわゆる応急処置としての
効果は高いので、つけてみて
楽になるようなら、活用しましょう。
極端に負荷がかかる時
育児中であれば、からだの調子が悪くても
避けられない動作があります。
中でも辛い動作がある時や、一日を通して
いつもより忙しい、負荷がかかる日は
ピンポイントで骨盤ベルトを活用しても
OKです。
本質的なケアではない事を忘れない
ただし！どちらのパターンにしても
乱用はあまりよくありませんし、
楽になったとしても、
本質的な産後からの回復ではありません。
ホルモンが落ち着き、関節が安定した時に
しっかりと筋肉を使って支えられる状態、
関節が正しく動かせる状態が大切ですし、
骨盤ベルトをつければ動ける状況というのは、
現状の自分のからだのキャパを超えた動きをしている
ことに他なりません。
何より、自分のからだのままで頑張れる状態を
作っていくことが大切です。